高校までは卓球部に入っていて,
毎日のように体を動かしていましたが,
大学に入ってからはほとんど運動をせずにいました。
そのため高校のときは 57kg ほどだった体重が卒業のときには,
100kg 近くまでになってしまいました。
卒業して就職した会社は東京のど真中にあり,
毎日電車と地下鉄で通勤していましたが,
東京というところはいたるところ階段があり,
あまりにも重くなり過ぎた私には大変つらいものがありました。
短い階段でも昇り切ったときには息が切れて,
しばらく休まなければいられなかったことさえありました(ほんとなさけない)。
「なんとかしなければ」とは思うものの,
仕事をはじめて間もない時分ではなかなか時間がとれません。
スポーツクラブのようなものも今ほど多くはありませんでしたし,
あったとしても多額の会費は新卒の給料の中からはなかなか出せません。
お金がかからず,できれば一人でもできるような運動はないだろうか。
さらにこの体重でもそんなに体に負担のかからないものは,
と大分さがしていました。
今考えると大分虫がいい考え方ですね。
でもあったんです。
いつも昼食の後に寄る本屋のスポーツコーナーで,
ある日太極拳の入門書を手にしたのでした。
今から30年近く前のことです。