太極拳の多くの教室で,
練功十八法が取り入れられているかもしれません。
しかしその多くは準備体操としてです。
たしかに準備体操として取り入れるのはいいと思いますが,
その内容を西洋体育的に解釈すると,効果もなく,
逆に悪い結果をもたらす可能性もあります。
私もはじめて習った30年ほど前,
そのように(自己流に)解釈し,
何の効果もなかったので,
やらずにおりました。
しかしあるきっかけから,改めて学習してみたところ,
面白いことにどんどん体がリラックスするようになりました。
たとえば「前段」第一節「頸項争力」で左右に首を回しますが,
回しきるまでゆるんだまま,最後の瞬間に少しだけ力が入ります。
そして次の瞬間には緩み,
血の通うのを味わう。
お医者さんが患者さんを治療するように,
自分の体を扱うことです。
「練功」は精密にできていて,
前の節がある程度できないと次の節は難しくなる
という順序をもって構成されています。
長年かたよった体を作ってきているわけですから,
それをほぐすには時間がかかりますよね。
あせらずゆっくりやることです。
練功十八法には「前段」,「後段」,「続集」の三つがありますが,
はじめの二つで十分。
「前段」と「後段」をセットとしてやるのが一番いい,
と今では思っています。