半年近く前に見た夢。
どこかで椅子のようなものに座っている。
そこへダックスフントのような短足胴長の犬が駆け寄ってきて,
わたしにじゃれ始めた。
犬,猫のたぐいは好きなので,
したいようにさせていた。
黒目がちの賢そうな顔をしている。
はじめは伸ばした掌を舐めていたが,
そのうちひざに脚をかけて伸び上がり,私の顔をぺろぺろ舐める。
「くすっぐったいぞぉ」
といったのだが,それでもやめない。
「お前のご主人様はどこにいるんだい?」
と聞くと,ようやく舐めるのをやめ,後ろを振り向く。
その視線を追ってみると,そのさきにぼんやりと女性の姿が浮かんでいた。
「あの人がそうかい? なんで私にあやまりにこないんだろう」
というと,
「あなたの方からあやまったらどうですか」
と。
「私からあやまる筋のものじゃあないですよ」と返すと,
「意地はってらぁ!」,
犬君は微笑むような表情で私をじっと見つめていた。