初日は無我夢中で,教えていただいたとおりに歌おうとしていた。
しかしやはり経験の少なさは補えない。
自分の体(特に声)が思うようにあやつれないもどかしさをずっと感じていた。
今日はポリフォニーの歌い方。
2日目の講座の内容は,
ルネサンス盛期のポリフォニー作品を発声法、他声部に聴き方、拍(タクトゥス)の感じ方、フレーズの持って行き方を含め一緒に歌うとはどういうことかにも重点において実際に歌います。 合唱ではなくアンサンブルの歌い方を学びます。
だった。
で,まずは準備体操。
合唱の練習の時もそうだが,
歌を歌う前に体をほぐす時間があるのはちょっとおもしろく思っていた。
でもよく考えると当たり前か。
体が十分緩んでいないと,声が体に響かないからね。
気功をするときのつもりで,体をゆすりながら放松(ファンソン=リラックス)。
その中で一つ昨日の復習。
緩やかに体を左右に揺らす。
これを「拍(タクトゥス)」というのだそうだ。
その後,カズーを使いながら,そぞろ歩きをしながら,
声を上に響かせる練習。
で,合唱の実習へ。
各人に資料として楽譜は配布されていたが(皆プリントアウトして持参していたが),
それは使わず,大きく拡大コピーされた楽譜が中央に掲げられ,
それを包むようにして参加者全員で囲み,
それを見ながら歌うのだった。
さらには4声に分かれるのではなく,
各パートの人間が交じりあいながら並んで歌った。
正直,自分と同じパートを歌う人が近くにいないと心細かった。
しかし遠くから聞こえてくる同パートの声を聞きながらというのは,
自立して歌うのにはいい。
また,隣から別のパートの人の音を聞きながら歌うというのは,
歌う一体感のようなものが感じられていい。
いつの間にか,再び夢中になって歌っていた。
聴講ってのはどうなったんだ?
なんていう,疑問はまったく浮かばず,
ずっぽりと,米山先生の思惑通り,になっていた。