久し振りの投稿です。
FaceBookの方はしょっちゅう書いているのですが,
こっちはちょっとほったらかし状態になってました。
だいぶん前にHestenesの「Space-Time Algebra」という本を読み始めた,
と書きました。
Hestenes, Space-Time Algebra, 2nd edition, Springer International Pub., 2015
5月の末には第1章を読み終わっていたのですが,
第2章は電磁気で,大学時代物理をサボったつけがまわってきて,
一向に読み進めることができませんでした。
で,前期中はいくつかの電磁気学の本をためつすがめつ。
でもなかなかMaxwellの方程式が頭に入りませんでした。
Geometric Algebraについてもなんだかすっきりしなかったので,
こっちの関係の本もためつすがめつ。
それがなんということでしょう!
8月の末になって,すーっと頭に入ってきたような感じがして,
それから電磁気学関係の本を読むのがまったく苦ではなくなってしまいました。
で,Hestenesの本に戻ろうか,と思ってましたけど,
ふと色々検索しているうちに
Dressel, J., Bliokh, K. and Nori, F.,
Spacetime algebra as a powerful tool for electromagnetism.
Phys. Rep. 589 (2015), 1–71.
というのに行き着きました。
このsurvey,春に色々検索しているときに見つけていたのですが,
ろくに abstract も読まず,ディスクの肥やしになっていました。
それを引っ張りだしてなんとなく読み始めたらすごく面白くて,
また,すっごくわかりやすく書かれていることに気が付きました。
夏休みもあと1か月。
どうしようかと迷っていましたが,これを読むことに決めました。
2週間ほどかけてざっと読み終わったのですが,
電磁気学で出てくるいろいろな概念がGeometric Algebra,
今回はSpacetime Algebraというものを使うことで統一されていく様は,
実に感動的でした。
Hestenesの本はこのsurveyに書かれていることの骨組みだけのような感じがしたのと,
つい最近の研究や実験の結果にまで触れられているようなので,
精読することにしました。
物理学の理論を適切に表現するには,
それに合った数学が必要。
これはこのsurveyの中で著者が述べていることなのですが,
電磁気学はベクトルやベクトル解析を用いた表現よりも,
Spacetime Algebraを用いたほうがすっきりと統一して表現されるようです。
その上で,さらに新しい対称性のようなものも見つかっているようです。
((o(´∀`)o))ワクワク。