子供たちは,書くのを面倒に感じるらしい。
実際,書くことに慣れていない彼らのスピードは,とても遅いですから。
証明問題は,確かに結論に至る説明になっていますけど,
私はそれより単純に,たとえば $(a+b)^2 – (a-b)^2$ を展開して整理するとどうなるか,
というようなものもそうだと思っています。
つまり,$4ab$ と答えだけ書くのではなく,
どうしてそれを得たか,途中の式を書くということです。
でも普通の計算を書いていくことに慣れていない子は,
これさえもしんどいようです。
中学校では,図形の証明を書く練習をしますね。
しかしどうも多くの子供たちはそこで,数学がいやになるらしい。
うちの学校にきている子に聞くと,そういう答えが多いです。
最近では,小学校で算数が嫌になったという子も急増しています。
戦前の中学校では,全員に口頭で証明を説明させていたというエッセイを読んだことがあります。
今では授業中にそういったことをやっている時間が取れないでしょう。
前任校では,希望者に口頭試問を課していました。
一所懸命やってくれたのは2割くらいの生徒だったでしょうか。
でもそれをやってくれた子は,
その後勉強ができるようになっていったと記憶しています。