高校1年生の終わりに,ふと
「何か教科書以外の数学の本を読んでみたいな」
と思いました。
高校1年生のときには,
矢野健太郎先生のものが大半でしたが,
読み物をだいぶん読み,
数学への興味を深めていました。
で,学校の図書館の数学の棚を眺めていると2冊の本が目に止まりました。
1冊はクーラントとロビンスの「数学とは何か」,
もう1冊はラングの「解析入門I」(第2版)でした。
(今思うと,なんでこれらの本が高校の図書館にあったのか,
不思議に思います。
ラングの方は私が読んだくらいですから,
高校生で読めないことはないはずなのですが,
司書さんがよく入れたものだと思います)
本田先生のエッセイを読んでいたので,
どちらかを徹底的に読むことにしようと思い,
結局ラングの方を選びました。
偶然とはいえ,私にとってはよい選択だったように思います。
(この文を書くために図書館から「数学とは何か」を借りだして眺めてみていますが,
おそらく当時の私には読みきることができなかったと思います)
目次は次の通り:
第1章 数と関数
第2章 グラフと曲線
第3章 微分係数,導関数
第4章 正弦と余弦
第5章 平均値の定理
第6章 曲線をえがくこと
第7章 逆関数
第8章 指数関数と対数関数
第9章 積分法
第10章 積分の性質
第11章 積分の計算
第12章 いくつかの計算練習
第13章 積分の応用
第14章 テイラーの公式
第15章 級数
第16章 複素数
付録1 $\varepsilon$ と $\delta$
付録2 帰納法
付録3 正弦および余弦
付録4 物理学と数学
私が高校の頃には高校1年生で三角関数や指数,対数関数,
図形と方程式について勉強するカリキュラムだったので,
この本のはじめの方はその復習となり,
ありがたかったものです。
で,読み方は本田先生のエッセイにあった,
書き直し法を選びました。
というより,今から言えば,単なる 写経 のような感じになっていたようです。
それでも指数関数より対数関数を先に定義したり,
付録3では正弦と余弦を
\[
f’=g,\quad g’=-f
\]
となる関数の組で $f(0)=0,\ g(0)=1$ を充たすものが存在することを証明すること
からはじめるところなど,面白く感じたものでした。
で,1年くらいかけて最後まで読みましたが,
今から思うと,ほとんど理解していなかったようです。
でも,教科書以外の数学書を読む,ということは,
私に多くの楽しみを教えてくれました。