大学へは推薦で入れてもらいました。
入試の面接試験ではラングの本のことや,
セミナーのことを話したので,
「こいつならなんとかなるかも」
と思ってもらえたのでしょう。
関東平野内の地方T大へ進学することができました。
(もちろん(!)東大ではありません)
初めて親元を離れ,
学生宿舎に入りました。
私のうちは団地で,
今と違ってそんなに間数はなかったので,
自分の部屋というものを持ったことがありませんでした。
そういったこともあって,
狭いながらも学生宿舎が個室であったことに,
大変な喜びを感じたものでした。
文部省の肝いりで新設された大学だったので,
宿舎も校舎も真新しく,
気持ちのよいものでした。
自分で受講する講義を選択し,
時間割を埋めていくことに戸惑いを覚えましたが,
高校までとは違って,先生を選べる(!)ことは,
とても面白く感じました。
で,たまたまその年,必修の語学の授業が一つ開講されず,
どうしようかと開設講義の一覧を眺めていましたら,
「位相」という講義があることに気がつきました。
タイトルからはどんな授業かはまったくわかりません。
それに対象は2年生。
なので,1年である私には無理かもしれない,
とは思いましたが,ものは試し,と1回目の授業を聞きに行きました。
後でわかったのですが,担当の先生は位相空間論のバリバリの研究者でした。
さらに4年生のときの指導教官にもなってなっていただきました。
(もちろんそのときには,そうなるなどとはまったく想像もしていませんでした)
1回目の授業の内容ですが,
オイラーの多面体定理を用いて正多面体が5種類に限る,
というお話でした。
オイラーの多面体定理は,私達の時代のカリキュラムでは中学校で勉強していたので,
幸いにして先生のお話には最後までついていくことができました。
それに自信をもらい,その後その講義を最後まで聴き続け,
試験を受け,Bでしたけど単位をいただきました。
2回目以降の講義はケリーの「位相空間論」のほぼ沿った内容で,
開集合を用いた定義,閉集合,閉包を用いた定義が同値であることが
丁寧に証明されて,分離公理に進み,
最後は正則空間の特徴付けである Urysohn の補題とTietzeの拡張定理で
終わったように記憶しています。
最後の二つもふくめて,いずれもよくわかりませんでしたが,
微積分の講義に出てきた開集合とかが深く関連していることだけは
よくわかりました。
で,徐々にトポロジーへの興味を深めていきました。