先のセミナーで知り合ったK先輩は,
J大の数学科に進学されていました。
季節は忘れましたが,
私が3年になって大学への進学を考えていたある日,
K先輩に連れられてJ大でのセミナーに行きました。
K先輩曰く,
「お前にショックを与えるため」
そのセミナーは院生(博士課程?)によるもので,
内容はイデアル論だったと思います。
参加者は学部生。
K先輩を含めて5人ほどでした。
つまり院生主催の勉強会だったのでしょう。
J大は歴史も古く,
都内にありながらも,
シックな佇まいのキャンパス。
その奥まったところにある数学科のセミナー室は,
数人も入ればいっぱいになるくらいの広さでした。
で,その片隅に私は座り,
彼の院生の講義を聞いていました。
もちろん内容は全く理解できませんでしたが,
こうやって数学が伝えられていく姿には,
ある種感動を覚えました。
先輩の言うとおり,
「ショックを受けた」
のですが,
それはK先輩の意図していたものとは少し違ったかもしれません。
帰りがけに,
その院生が書かれたセミナーノートをいただきました。
青焼き(って今の人はわからないでしょうね。昔のコピーです)で,
100ページくらいありました。
内容は環論。
大学に入ってからもそのノートを読むことはありませんでしたが,
ずっと本棚の片隅に置き,勉強の刺激としてきました。