今日、戸瀬先生の「学びたい人の数学中学校1年」(NTT出版)という本を手に入れました。
小学校で学習した計算の復習に(本文212ページのうち)50 ページ以上費やしており、
「分数のできない大学生」の著者の面目躍如といったところでしょうか。
中学生に読んでもらうつもりでかかれたようですが、
第一印象として、むしろ大人向けの書き方になっているように感じられました。
つい最近「新しい科学の教科書」(執筆代表:左巻健男、文一総合出版)という
「学習指導要領と教科書検定の足かせを取り払って作られた」(帯の引き句で す)本もでており、
こちらは都会の書店ではよく売れているそうですね。
当然ビジネスマンが購入しているのでしょう。
つまり大人ですね。
こちらの方は、現役(?)の中学生でも読める書き方になっているように感じました。
マスコミでの「学力崩壊」の報道を待つまでもなく、
ここ2、3年の入学生の計算力は格段に落ちてきていることは私も実感しており、
このままでは「科学立国日本」なんていっている暇はなくなりそうで、憂鬱です。
昨年田中さん、小柴先生のお二人がノーベル賞を授賞され、
小泉首相は「日本の教育も捨てたもんじゃない」などとおっしゃっていましたが、
彼らはいつの時代の教育を受けた方たちなのか考えておられないようで、
がっかりしたものです。
今高校生の彼らが30代、40代になったとき、
つまり、社会の中心になったときのことを想像すると、
背筋が寒くなります。
そうならないように、あるいはそうなったとしても回復の手がかりになるようなものを用意しておくことが必要だと思います。
その一助として私の書いているものが役に立てばいいのですが。