先の記事「長澤亀之助,幾何学辞典」の続きである。
正編の目次は概略次のようになっている。
正 編
まずは公理やよくつかわれるらしいものが
全部で12ページほどにまとめられている。
- 普通公理
- 幾何学公理
- 定理の関係
- 平面軌跡
- 作図題
- 作図の規矩
- 倍量の性質
- 比例の定理
- 極限の理論
- 英和学語
最後の「英和学語」というのは英和辞典である。
こういったものがついているのは面白い。
続いて本文であるが,
第一門 解法之部
第一節 直線
第二節 円
第三節 面積
第四節 比例
第五節 正多角形
第六節 計算問題
第七節 軌跡
第八節 作図題
第九節 極大極小
第十節 附録
第二門 学語之部
最後の「学語之部」は用語辞典。
ここには日本語による述語の定義などが書かれている。
(そういえば,明治時代に多くの訳語が決められたはずなのだが,
それとの関連はどうなっているのだろう?)
ちなみに「第何節」とあるが,これは現代でいうところの「章」に相当するようだ。
面白いのは,その下の,現代なら「節」に相当するところが「第何章」となっていて,
今と使い方が逆転している。
最後の「第十節 附録」には
第一章 共点性,共線性
第二章 相似の中心
第三章 同軸円
第四章 相切
第五章 倒形法
第六章 調和列点
第七章 極,極直線
といった項目が扱われている。
これは比較的最近(といっても長澤の頃,つまり明治時代だが)に得られた結果が
並んでいる。
ちなみに「続編」には「近世幾何学解法之部」という部分があって,
さらに詳しく扱われている。